高瀬峡(たかせきょう)から西鳥海の笙ヶ岳(しょうがだけ)に至る長い尾根道。遮ることのない眺望が広がる。地元山岳部の訓練用に利用されているコースだけあって、ガラ場から上へ登るにはそれなりの決意がいる。
町営バス利用の場合は長坂口下車。車道終点の山の神まで車を利用すると便利。駐車スペースも広く、公衆トイレもある。また、ここの湧水もおいしい。
登り始めるとすぐに高瀬峡の分岐点。長坂道は右手方向へ進む。この先、山仕事用の道が分かれている所があるので、注意を要する。広く刈払いされた道を進むこと。しばらく雑木林の中を進むと登山道の脇に大きな岩がデンと構えている。これが堅餅岩(かたもちいわ)。先人の名前のつけ方に思わず納得してしまう。
ここから先は登山道の傾斜が増してくる。登山道は赤土なので、濡れていると滑りやすい。両手で笹や木の枝につかまるようにして歩き、高度を稼いでいくと、突然視界が開け標高800mのガラ場に着く。ガラ場はその名のとおり、視界をさえぎるものが何もない石のゴロゴロした所。
ここから万助道コースに行く登山道があるが、今は刈払いがなされていない。この先の長坂道は、ガラ場から尾根に沿って登ることになるが、見上げるとため息が出てしまう。しかし、景色は申し分なし。気を入れて登ろう。
ガラ場からひたすら登ること約1時間40分、尾根が次第に広くなりようやく笙ヶ岳(しょうがだけ)に着く。思わず登ってきた道を振り返ってしまう。それだけ登ることができた喜びは大きい。ゆっくり休もう。笙ヶ岳からは、広い尾根を行く。高山植物の種類・数とも増え、目を楽しませてくれる。途中、河原宿からの道と合流し、目の前のゆるい坂を越えると御浜(おはま)小屋が見えてくる。
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