このコースは、鳥海山登山ルート中最も古く、整備もされている。
国民宿舎大平山荘(おおだいらさんそう)よりさらに700m程鳥海ブルーラインをのぼった秋田県境付近が登山口となる。(展望の良い路肩部分に駐車スペースあり)
登り始めがこのコース最大の難所 伝石坂(つたいしざか)。約50分でこの急坂を登りきると、見晴台(みはらしだい)へと出る。この展望台で眼下の眺望を楽しみながらゆっくり休憩をとろう。ここから上は勾配も緩やかとなり、湿原の清水大神を過ぎた辺りから高山植物が増えてくる。とよを通過して河原宿(かわらじゅく)に入る。ここから愛宕(あたご)坂の急坂を一気に登ると一面のヌマガヤの草原となり、程なく御浜(おはま)に着き、象潟口や長坂口と合流する。
御浜の脇には、カルデラの鳥海湖(直径約200m、水深約4m)があり、雄々しくそびえる新山、七高山(しちこうさん)、それを取り巻く外輪山が絶景をなし、登山の楽しさを感じられる場所である。
また、御浜周辺は高山植物の群生地で、ハクサンイチゲ・ニッコウキスゲの群落など花の観賞にも適している。なお御浜には公衆トイレもあるので、休憩をとり、山頂をめざしたい。
御浜周辺の高山植物の花の見ごろ(目安)
6月 |
ハクサンイチゲ ・ チングルマ ・ ウラジロヨウラク ・ ヒナザクラ ・ イワイチョウ ・ ノウゴウイチゴ ・ クルマユリ ・ ハクサンチドリ ・ イワカガミ |
7月 |
ニッコウキスゲ ・ ヨツバシオガマ ・ ハクサンシャジン ・ チョウカイアザミ ・ アオノツガザクラ ・ シラネニンジン ・ ミヤマキンバイ ・ ウサギギク |
8月 |
ハクサンフウロ ・ トウゲブキ ・ ウメバチソウ ・ イワショウブ ・ エゾオヤマリンドウ |
|
御浜から東へ、岩の尾根道をたどり扇子森(せんすもり)の上部(御田ヶ原(おだがはら))を進む道は正面に新山を望みながら下って、鞍部の御田ヶ原分岐で鳥海湖の南岸からくる道と合流する。ここから、ややきつい登り、八丁坂(はっちょうざか)が始まる。
八丁坂を過ぎると七五三掛(しめかけ)(御苗代)に至る。ここは大人数でも休めるくらいの広さがあり、これより先は千蛇谷(せんじゃだに)コース、外輪山コースに分かれる。以前は、七五三掛が分岐点となっていたが、千蛇谷コースへの入口は一部崩落したことから通行止めになっており、迂回路として外輪山コースを七五三掛から50m程登ったところに千蛇谷へ下りる道が作られている。
《千蛇谷ルート》
迂回路を通り、千蛇谷に出ると右手に外輪山の絶壁、左手に新山ドーム、正面は緩やかに左に弧を描く千蛇谷の雪渓の展望が開ける。(内壁からの落石には注意)登山道は雪渓を横断し、新山ドーム側を谷に沿って続いている。(千蛇谷の雪渓は秋頃まで残っている)
登山道はこれよりひたむきな登りが続き、外輪山の尾根の高さを感じなくなる頃には溶岩のジグザグ道に至り御室(おむろ)小屋へ到着する。
《外輪山ルート》
分岐点からの外輪山はハイマツの生える尾根沿いの道となる。場所によってはよじ登る事もあれば、千蛇谷に崩落している場所もあり、注意が必要。しかし、右手には外輪山の裾野が広がり、高山植物も多く、左手の千蛇谷の展望もすばらしい。
文殊岳を過ぎ、伏拝岳(ふしおがみだけ)で湯ノ台登山道と合流し行者岳を過ぎ七高山の手前で御室小屋への道に左折する。
御室小屋の奥に鳥海山大物忌神社(おおものいみじんじゃ)御本社、そして背後には新山ドームがそびえる。
ここから、新山の山頂へは溶岩の岩山をよじ登ることとなるので、手袋等が必要になる。登山道は矢印で示してあるが、岩と岩を縫うように続く溶岩の道は非常に迷いやすいので、矢印を確認しながらゆっくり登るようにしたい。そして、新山の山頂に至る。
《お問い合わせ》
山形県遊佐町役場 企画課 TEL 0234-72-5886
遊佐町ホームページ http://www.town.yuza.yamagata.jp/
|ルート目次|象潟|吹浦|長坂|万助|二ノ滝|湯ノ台|百宅|猿倉|矢島| |
|