鳥海山東側の登山口百宅コースは、キャンプ場として整備されている4合目『大清水(おおしず)』が起点になる。
コースは大清水山荘前を通り、地名の由来でもある清水のわき出ている沢を渡り、ブナの原生林の中を1.4q登ると5合目『大倉ノ滝(おおくらのたき)』に出る。
周辺の景色も低木帯に変わり、緩斜面が次第に勾(こう)配を増すころ、6合目『タッチラ坂』に着く。
さらに高度をかせぐと目の前に覆いかぶさるような7合目『屏風岩(びょうぶいわ)』に。
ここの水場(夏枯れする場合もある)でのどを潤し、さらに高度をかせぐころ、辺りはすっかり高山の様相を示し、しばらく登ると8合目『唐獅子平(からじしだい)』へと出る。避難小屋の建つこの台地から背後に広がる出羽丘陵と、奥羽山脈の眺めは雄大。
ハイマツの尾根をぬけ、さらに2つの雪渓(霧のときには慎重に)を越え、高度をかせぐとケルンのある九合目『霧ヶ平(きりがだい)』。ここから外輪までの0.7qは“がれ場”なので踏み跡を見失わないように、慎重に高度をかせぎ登ると外輪に出る。
ここから一等三角点のある七高山へは、外輪づたいに北へ0.2qほど。最高峰の新山へは外輪の『虫穴(虫穴岩(むしあないわ))』の手前から内壁の鎖場を慎重に下り、万年雪にとりついて西に向かい、岩に印された矢印を追って登ると2,236mの新山頂上となる。
このコースでは、9合目から上部の“がれ場”の登下降と落石に注意が必要。また、霧が発生した場合の下り(特に外輪から8合目唐獅子平まで)には十分注意が必要である。
水場は夏枯れの場合もあるので、大清水で必要量は準備するとよいだろう。
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